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Tidbits stream 11 部位別骨折の簡易判定

[2026.01.26]

 整形外科疾患といえば、やはり骨折です。骨折といっても部位や折れ方によって症状の出方、疼痛の出方、治療の仕方が変わります。痛みが激しければ整形外科を受診すべきですが、“このぐらいでどうかな?”という状況が多々あると思います。ここでは部位別に簡易判定法を述べます。

 打撲や捻挫などで外力が加わると、皮下の脂肪組織や筋肉、または骨が損傷します。大きな外力が加われば比較的速やかに局所が腫れますが、腫れの程度だけで骨折を判定することは困難です。そこで注目すべきは内出血です。打撲と異なり、骨折すれば必ずそこそこの出血が生じます。上肢(図1:上腕~肘~指先)、下肢(図2:下腿中央~足部)は、皮膚の下にすぐに骨があるので、骨折すればその部位はあっという間に腫れ、数十分以内に500円大の内出血が生じます(図1a、2a)。数時間後には内出血範囲は2-3倍に拡大し、数日後に中心部はやや黄色に変化します(図1a、2b)。さらに1-2週間後には重力の影響で痛くない部分にまで内出血痕が拡大し、全体的に黄色に変化します(図1c、2c)。すなわち受傷直後の内出血範囲が500円玉程度なのに、一日以内に内出血エリアがテニスボール大に拡大すれば、骨折を疑ってください。

 * 血液をさらさらにする薬(抗血小板剤:バイアスピリン・プラビックス・プレタールなど、抗凝固剤;ワーファリン・プラザキサ・イグザレルト・エリキュースなど)を内服している場合は、内出血エリアが2-3倍と拡大し、重症感が増します。

 以下に各部位の骨折したときの症状を書きます。

・手足の甲は骨の数が多く、骨折しても他の骨がサポートするので、骨折しても骨折部は比較的安定しています。しかし、手に力が入らず、簡単な手作業ができにくくなります。また歩行は痛いながらも可能ですが、片足立ちが出来ません。

・膝関節内の骨折は、表面的には分かりにくいことが多いです。しかし、打撲や転倒直後から関節内に出血が生ずれば、1時間以内にはしゃがむことが出来なくなり、足を引きずって歩くようになれば、関節内骨折の可能性が高いと考えます。

・股関節の骨折は、座って足を動かす事や歩行、片足立ちが出来ません。

・骨盤の骨折は、座って足を動かすことは出来ても、歩行が出来ません。

・腰椎や胸椎の骨折は、ベッドから起き上がるときに疼痛が強く、立ってしまうと疼痛はやや軽減します。腰椎の骨折では数日で便秘になり、引き続き食欲低下が生じます。

・肩の骨折は腕が自力で挙がりませんし、手を添えても痛くて挙げれません。一方、腱板断裂は30度までは自力で挙がり、手を添えれば180度まで挙がります。

・足関節内の骨折では片足立ちが出来ず、装具で固定しても症状は軽快しません。一方で足関節の靭帯損傷(高度捻挫)では片足立ちは可能で、歩行時に痛みが悪化し足を引きずります。また装具をつければ疼痛は半減します。

 骨折と打撲、捻挫では痛みが軽減する推移が異なります。図3のように、骨折の場合、受傷後3週間は疼痛の状況にほぼ変化はありませんが、打撲では1-2週もすれば疼痛はほぼ消失します。また靭帯損傷(高度捻挫)は、2週経過後から症状が緩和し始めます。

 

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