Tidbits stream 20 腰椎圧迫骨折
腰椎圧迫骨折の原因は、外傷と骨粗鬆症(加齢、ステロイド)そして病的骨折に分類できます。
外傷:尻餅をついたり、後方にバタンと倒れることで生じます。
骨粗鬆症(加齢):加齢による骨粗鬆症は、もともと瘦せ型の女性、閉塞性肺疾患(慢性気管支炎や肺気腫)の方にリスクが高く、重量物を抱えたり、重量物を引張ることでも骨折します。
骨粗鬆症(ステロイド):過去に肺炎や血液疾患、突発性難聴などでステロイド大量投与された方は、骨密度が高くても骨質が悪化しています。ステロイド大量投与後3か月程度で、重量物挙上などのイベントが無くても折れることがあります。
病的骨折:癌の転移や多発性骨髄腫などの血液疾患が原因で、重量物挙上などのイベントが無くても折れます。
骨折の典型的症状は、臥位→座位→立位などの体位変換時に生じる腰の激痛です。その腰痛が1週間以上続き、便秘の悪化や食欲低下が出てくれば、圧迫骨折の可能性が高まります。
骨折が治癒しても腰痛が続く方が多くいらっしゃいます。しかし、この骨折治癒後の腰痛は、主に筋肉由来のものです。骨折の疼痛は、体位変換時の鋭い(尖った)痛みですが、骨折治癒後の腰痛は腰筋疲労によるもので、午前よりは午後、午後の中でも夕方になればなるほど腰にだるさが出現します。この腰のだるい痛みに対しては、痛みが生じる姿勢を減らしたり、押し車をついたり、休憩を挟むなどの工夫で和らぎます。決して、痛み止めやシップで改善する腰痛ではありません。
一旦骨折すると、その部位で背骨が大きく前方に曲がりるため、重心が脊椎前方に移動し、隣接する椎体前方に負荷がかかりやすくなります(図1)。椎体前方は後方よりも強度が低いので、最初の骨折時よりも少ない負荷(転倒や重量物挙上)で隣接椎体の骨折が発生し、以後、骨折連鎖が生じて高度円背に発展します。そして円背は、逆流性食道炎や肋骨痛などを引き起こし、QOLを低下させます。
再骨折を防ぐためには、骨粗鬆症の治療だけではなく、片手で抱えられる重量物を両手で抱える、長時間の前屈姿勢を避ける(草取り時はこまめに休憩)(図2)、鍬は引かずにテコで起こす(図3)、重量物は引かずに押して移動する(図4)などの工夫が必要です。
