Tidbits stream 6 self-limited disease(自己限定性疾患)
self-limited disease(自己限定性疾患)とは、一般的な風邪のように、「特別な治療をしなくても自然に症状が落ち着く病態」です。整形外科疾患においても、腰痛、肩痛、膝痛、股関節痛の初期は、治療無しでも症状は一旦良くなります。しかし整形外科疾患は、一般的な風邪とは異なり、自分の身体がその状態に適応しただけであり、身体内では何らかの不可逆的変化が生じています。
例えば関節Aよりも、関節Bのほうが関節面の接触面積が広いので安定しています。筋力低下などで関節Aがグラグラすると、決して関節Bに変身できないので、関節A´のような骨棘が形成され、”見かけ上の接触面積”が拡大し、関節自体はより安定化します。これは一見、自然治癒能力のように見えますが、元の状態に戻ったのではなく、筋力低下という現状に適応した結果です。ほとんどの整形外科疾患は、だいたい3か月でself-limitedな状態になるので、ちょうどこのころにサプリを購入し飲み始めたり、整形外科でヒアルロン酸の関節注射を継続したり、リハビリに通い続けていれば、これら一連の行動が奏功したと誤解します。しかし、問題解決が先送りされた状態ですから、そのうち新たな痛みの波が襲ってきます。よって、痛み止めなどで胡麻化さず、何らかの対策を考える必要があります。
この骨棘は膝関節だけでなく、股関節、指、肩、脊椎椎間板などあちこちに生じ、レントゲンではっきりと確認できます。そして根本原因に対処せず痛み止めで胡麻化せば、各関節の痛みは定期的に再発・悪化を繰り返し、最後は関節変形が高度となり、いずれは脊椎手術や人工関節手術が必要となってきます。
内科的疾患も同様で、元気な人でも肺CTで昔の肺炎の傷が残り、内臓に生じた炎症が修復されても非可逆的変化を来しています。一方で風邪やインフルエンザなどウイルス感染症では、免疫がその都度アップグレードされ、それが次の世代に引き継がれていきます。整形外科領域の疾患は自動的にアップグレードされませんから、痛みを経験すれば再度痛みが来ないよう自分で対処するしかありません。
年齢からくる痛みに関しては、ほぼ筋力低下、運動不足が原因ですから、自分に合った運動や筋トレを開始しましょう。一方、運動で生じた痛みは、その運動の仕方(運動量、運動強度、身体の動かし方)などに問題があることが考えられます。その場合は痛みがある程度軽くなった段階で、同じ運動動作をしてみて、特定の動作で痛みがあれば、その動作が間違っている、または自分には不適と考えるべきです。この“痛み”を利用したフォーム改善、運動量調整の工夫はお勧めです。特に子供の投球動作、ラケット競技時の肩~肘~手首の協調運動確認にも応用できます。
